湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして
ありがとうございます。
前回は胃腸炎の原因について、細菌・ウイルス、胃や腸の不調と様々あることを
ご紹介させて頂きました。今回はその原因のひとつである「食中毒」について
掘り下げてご紹介していきたいと思います。
食中毒と言うと、夏!というイメージの方が多いかもしれませんが、
食中毒を起こす原因は主に細菌とウイルスに分かれており、細菌が原因のものは夏場、
ウイルスが原因のものは冬場に多く発生します。
また、それ以外の原因もある為、実は食中毒は1年中発生しているのです。
◎食中毒の原因となる細菌・ウイルスは?-湯河原のトキワ薬局-
食中毒を引き起こす主な原因は、「ウイルス」と「細菌」です。
ウイルスは、低温や乾燥した環境の中で長く生存するために冬場(11月~3月)に多く
発生しています。中でも代表的なウイルスである「ノロウイルス」による食中毒は、
年間の食中毒患者数の5割以上を占めています。
また、乳幼児期に多く起因する「ロタウイルス」感染症対策として令和2年10月1日より
ロタウイルスの予防接種が定期接種になります。
一方、細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています。
代表的な細菌としては、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクター、
サルモネラ属菌などです。
細菌は温度や湿度などの条件が揃うと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べること
により食中毒を引き起こします。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で
活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。
また、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め、湿度も高くなる梅雨時には、
細菌による食中毒が増えてきます。
このほかに、毒キノコやフグなどの「自然毒」、アニサキスなどの「寄生虫」なども、
食中毒の原因となっています。
<ノロウイルス>
手指や食品などを介して、口から体内に入ることによって感染。
腸の中で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。ノロウイルスに汚染された二枚貝などの
食品を十分加熱しないまま食べたり、ノロウイルスに汚染された井戸水などを飲んだりして
感染するほか、ノロウイルスに感染した人の手やつば、ふん便、おう吐物などを介して、
二次感染するケースもあります。
<腸管出血性大腸菌(O157やO111など)>
牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌の一つで、O157やO111などが
よく知られています。毒性の強いベロ毒素を出し、腹痛や水のような下痢、出血性の下痢を
引き起こします。腸管出血性大腸菌は食肉などに付着し、肉を生で食べたり、
加熱不十分な肉を食べたりすることによって食中毒を発症します。
乳幼児や高齢者などは重症化し、死に至る場合もあります。
<カンピロバクター>
牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌です。この細菌が付着した肉を、生で食べたり、
加熱不十分で食べたりすることによって、食中毒を発症します。
また、吐き気や腹痛、水のような下痢が主な症状で、
初期症状では、発熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感などがみられます。
<サルモネラ属菌>
牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌です。牛・豚・鶏などの食肉、卵などが
主な原因食品となるほか、ペットやネズミなどによって、食べ物に菌が付着する場合もあります。
菌が付着した食べ物を食べてから半日~2日後ぐらいで、
激しい胃腸炎、吐き気、おう吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。
<セレウス菌>
河川や土の中など自然界に広く分布している細菌です。土がつきやすい穀類や豆類、
香辛料などが主な感染源となり、チャーハンやスパゲティ、スープなどが原因食品となっています。
毒素の違いによって、症状はおう吐型と下痢型の症状に分けられます。
セレウス菌は熱に強く、加熱による殺菌が難しいのが特徴です。
ただし、少量では発症しないため、菌を増やさないことが予防のポイントです。
<黄色ブドウ球菌>
ブドウ球菌は自然界に広く分布し、人の皮膚やのどにもいます。
その中でも食中毒の原因となるのは、黄色ブドウ球菌。調理する人の手や指に傷があったり、
傷口が化膿したりしている場合は、食品を汚染する確率が高くなります。
汚染された食物を食べると、3時間前後で急激におう吐や吐き気、下痢などが起こります。
<ウエルシュ菌>
人や動物の腸管や土壌などに広く生息する細菌です。酸素のないところで増殖し、
芽胞を作るのが特徴です。食後6~18時間で発症し、下痢と腹痛が主な症状として現れます。
カレー、煮魚、麺のつけ汁、野菜煮付けなどの煮込み料理が原因食品となることが多く、
対策としては、加熱調理した食品の冷却は速やかに行い、室温で長時間放置しないことです。
◎食中毒を起こさない為にできる対策とは?
<細菌への対策>
・細菌を付けない!→手洗いの徹底、生ものに触れた器具は分けて菌の付着を防ぐ
・細菌を増やさない!→生鮮食品や総菜などは、購入後なるべく早く冷蔵庫に入れる
・細菌をやっつける!→ほとんどの細菌は加熱により死滅します
<ウイルスへの対策>
・ウイルスを持ち込まない!→健康状態を把握し、感染の危険がある場合には調理を行わない
・ウイルスを広げない!→手洗いの徹底、定期的な消毒や清掃で清潔を保つ
食中毒予防については、厚生労働省のHP(リンク)にも対策や注意点が載っていますので、
是非参考にされてみてください。
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html
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