湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして
ありがとうございます。
前回は膝関節の痛みについて、関節の構造と痛みの原因、痛みへの対処までお伝え
させて頂きました。症状を感じられた場合は、なるべく軽症のうちにいたわるケアを
することが悪化させない為に必要なこととなります。受診するまでもない…と思われる
症状については、健康相談も積極的に行うトキワ薬局までご相談ください。
◎体の悩みランキングで常に上位の「腰痛」、なぜ起きる?湯河原のトキワ薬局
今回は腰痛をテーマにお伝えしていきます。
私が初めて腰痛を経験したのは高校2年生でした。私はバレーボール部に所属しており、
低い身長で1m近いジャンプを繰り返していたのですから、膝も腰も耐え切れなかったのでしょう…。
2回目はサーフィンに明け暮れ、冬に体を冷やしたとき、
3回目は社会人になって長時間、同じ姿勢ばかりでいたときです。
腰痛は人が4本足の動物から進化し、2本歩行になった時から始まったとされ、
人間の宿命と言われています。地面に垂直に立った人の背骨は、重たい頭や胴体など上半身にかかる
重力のすべてを支えなければなりません。
ただ立っているだけでも腰に負担がかかるのに、少し前屈の姿勢を取ったり、重い物を
持ったりすると、さらに負担が大きくなります。
このように、常に重力にさらされている背骨が、悲鳴を上げた状態が腰痛です。
背骨は一本の長い骨ではなく頸椎や胸椎など短い椎骨24個が巧妙に連結して構成されています。
これらをつなぐクッションの役割を果たしているのが椎間板です。
そのうちの「腰椎」部分が腰にあたります。これは体の要となる重要な部分で、座る、立つ、歩くなど、
ほとんどの行動は腰を起点に行います。背骨はとても複雑な構造であるため、
ほんの小さな歪みが生じただけでも不調の原因になりやすいのですが、
その多くが腰痛というサインになって現れます。
◎腰痛の原因を詳しく解説!腰痛には実は色々な種類がある?!
日本人の約20%が腰痛症状を持っているそうです。単に腰痛と言っても、鈍痛が続く慢性的なタイプと、
突然動けなくなるほどの激痛に襲われる急性的なタイプがあります。
そしてその原因も、姿勢の悪さ、激しい運動や労働による疲労や損傷、老化、脊髄神経の異常、
内臓や全身性疾患、心因性のストレスなどさまざまです。
特に代表的な腰痛の疾患として挙げられるのが下記の2つです。
般的な腰痛(慢性筋肉性腰痛症):腰の骨を支える筋肉や靱帯(じんたい)に疲労が溜まった状態
ぎっくり腰(突発性腰椎捻挫):膝を曲げずに重い荷物や物を持ち上げたり、急に体をねじったりした時など腰に急な負担をかけた時に痛みを感じる
他に、下記のような疾患の種類もあります。
椎間板ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア):腰だけでなく、臀部から足にかけてひどい痛みやしびれを感じる
坐骨神経痛などの症状を伴い、筋力の低下などを起こすのが特徴
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう):椎間板や椎間関節の老化・変形などにより
脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで痛みやしびれが起こる
変形性脊椎症:椎間関節の老化、椎間板症、脊椎体からの骨棘による圧迫などが痛みの直接的な原因となる
疾患の種類をご紹介しましたが、腰痛の原因が特定できるケースは全体の約15%なのです!
それ以外は、内臓や脊椎の病気、腰の神経障害、または悪性腫瘍の転移などの可能性も出てきます。
それら約85%は、原因を特定しにくい「非特異的腰痛」と言われています。
実はこの約85%の腰痛症は、薬剤師の私でもお手伝いのできる、予防と対策で解決できるかもしれない
「腰痛」なのです。
非特異的腰痛の原因とされるのは下記の2つです。
1. 身体的な原因:同じ姿勢で長い時間過す、運動不足、冷え症など。
2. 心理的な原因:仕事などによる過度なストレス、睡眠不足など。
心理的原因は別として、身体的な原因によるものは、日々の何気ない動作が影響して腰の筋肉に負担が
かかっていると考えられます。
最初に話したように、腰は上半身の体重を受け止める、まさに要の場所。
人間の体は普通に座っているだけでも、腰にかなりの負担がかかる構造になっているのです。
では、筋肉に負担がかかるとどうなるのか。
筋肉の線維の間を通っている毛細血管が圧迫されて、血流が悪くなります。血流が悪くなると、
血管の中を通る酸素や栄養素がスムーズに運ばれないのと同時に、溜まった疲労物質を排出できなくなり、
筋肉疲労(筋肉のコリ)が生じて腰痛を引き起こすもとになるのです。
それでは、腰の筋肉に疲労をためないためには、日々の生活でどのような点に気を付ければよいのでしょうか?
◎筋肉疲労からの腰痛を引き起こさない為にできる対策は?
<座る姿勢に気を付ける!椅子に深く座り、おへその下に力を入れる>
長時間、車の運転をされる方、パソコンの前に長時間座る方は、椅子に浅く座っていたり、
猫背になっていたりしませんか?
このような座り方をすると、骨盤が倒れた姿勢になるため、腰や背中など偏った部分に体重がかかり
筋肉に負担がかかってしまいます。
正しい椅子の座り方は、椅子に深く座って、背筋を伸ばし骨盤が立っている状態。
そこでおへその下4~5cmのあたり(丹田:たんでん)を少し意識してみてください。
丹田とは体の中心部のことで、ここに力が入ることで腰や背中などの力を抜くことができるのです。
床に座るときには、正座かあぐらで。横座りは片方の腰に負担がかかるので避けたい座り方です。
ちなみに、立っているときに比べて、座っているときの腰への負担は約1.4倍。
立っているときは腹筋や背筋、足の筋肉に体重が分散されますが、座っていると腹筋が緩むため、
背中や腰の筋肉や骨に負担が集中してしまうためです。
<立ち仕事は、股関節と膝をときどき緩める>
立ち姿勢も基本は座り方と同じで、背筋が伸びて丹田に力を入れましょう。
両足に均等に体重が乗っていることも大切です。
立ちっぱなしになる場合は、床に10cmくらいの台になるものを置いて、片足を乗せて
股関節と膝をゆるめることで腰の緊張をほぐすことができます。これを片足ずつ交互に行います。
その他にも、脚を少し開いて前後左右に重心を移動させるなど、体重の負担を分散させることがポイントです。
また、中腰で前かがみになる姿勢は、もっとも腰に負担のかかる体勢です。
毎日使うキッチンや仕事の作業台などの高さは、できるだけ腰に負担のかからない高さに調節したいものです。
洗面など、どうしても中腰になるときは、膝を軽く曲げることで腰への負担が軽減できます。
<同じ姿勢をずっと続けない>
立ち仕事でも座り仕事でも、ほとんどの方が同じ姿勢で長時間いることが多いはず。
ただ、腰痛の原因でご紹介したように、同じ姿勢をずっと続けていると、腰や背中のある部分に
限定的に体重がかかり、血流が悪くなって筋肉に負担がかかります。
定期的に休憩時間を入れて軽い運動やストレッチをするなど、血流が悪くなっている部分を開放して
あげるようにしましょう。
<荷物を持ち上げる時は、膝を曲げて>
荷物を持ち上げる時、「荷物の重さ」に問題はあるものの、一番に気を付けるべきは
「どのような姿勢で」持ち上げるかということです。
下半身を使い、できるだけ腰に負担がかからない動きを身につけることが大切です。
ポイントは、まず荷物の近くに立ち、足を開いて、中腰になって膝に力を入れ持ち上げること。
重心をしっかり落とし、丹田に力を入れつつ持ち上げることで、腰や背中への負担を減らすことができます。
重量挙げの選手の動作を見ていると参考になりますよ。
<起き上がる時は、横向きの体勢から>
目が覚めて、不意に起き上がるのは禁物!
仰向けのままで一気に起き上がるのは、腰への負担が大きくなり、腰痛の症状を感じていない方でも
腰を痛める危険性があります。
腰に負担のかからない起き上がり方は、横向きの体勢になって膝を曲げ、ゆっくりと起き上がるようにします。
その前に、ゆっくり伸びをして立膝にし、左右に振るなどのストレッチをするとよいでしょう。
<腰痛に冷えは大敵!お風呂で湯船につかる>
体を冷やす=血液の循環が悪くなることは筋肉のこわばりとなり、腰痛の大きな原因となります。
とくに「お風呂に入ると腰痛がラクになる」という方は、温めることで腰痛を改善できる可能性が高い人です。
入浴以外にも体を温める工夫は色々あるので、少しずつトライしてみましょう。
最初に試してほしいのが湯船につかること。ポイントは「ゆっくりとつかって、体の芯から温まる」です。
また、浮力を使って筋肉の緊張をほぐすのもより効果的ですし、入浴剤を使えばさらに効果が期待できますね。
<栄養を摂る>
食事で筋肉疲労に効果的な栄養素を取ることも忘れずに。
カラダを温める成分や血流を改善させるビタミン、ミネラル、そしてたんぱく質が挙げられます。
十分でないと感じたら、健康食品や保健薬で補うことも心がけましょう。
栄養については、またあらためてご紹介致します。
【店舗情報】
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