湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして
ありがとうございます。
12月に入り、寒い日が続くようになりましたね。
例年ですと忘年会の話題が増える時期ですが、今年はコロナの影響からか去年とは違った形態の忘年会が増えるようです。
「少人数での忘年会」「web飲み会」「家で時間があるとつい飲酒してしまう」など…
コロナの影響下でも、むしろ飲酒機会が増えている方が多いのではないでしょうか。
お酒を飲んだことのある方は、1度は経験したことがあるであろう飲酒につきものの「二日酔い」。
今回は私たちに身近な「二日酔い」についてお話します。
◎二日酔いとの上手な付き合い方をご紹介-湯河原のトキワ薬局-
厚生労働省が発表している「二日酔いのメカニズム」という記事をご存知でしょうか。
上記の記事によると二日酔いの歴史は古く、旧約聖書に記述が見られるほど長い歴史があるにもかかわらず、二日酔いの定義や診断基準などは未だ示されていない…とあります。
「これをすれば二日酔いがすぐに治る」という特効薬は、現時点ではありません。
そのため、二日酔い対策では「治す」ではなく「症状を抑える」ことを中心に対処をします。
まずは、症状ごとの二日酔いの対処法についてご紹介します。
・頭痛がひどいとき
二日酔いの頭痛の原因は、アセトアルデヒドだと考えられています。
アルコールは、体内に入ると肝臓で分解され、アセトアルデヒドという成分に変化します。
アルコールを摂取しすぎると、アセトアルデヒドが全身にまわって神経細胞に影響を与え、二日酔い特有の頭痛や全身のだるさを引き起こすといわれています。
頭痛対策としては体内のアセトアルデヒドを薄める、または体から早く抜くことが効果的です。そこで、おすすめしたいのが水分補給。
アルコールには利尿作用があり、飲んでいる間にも水分がどんどん排出されています。
そのため頭痛を感じない場合でも水分補給が必要ですので、アルコールを摂取した際は同時に水分を摂取することを心掛けておくと良いでしょう。
スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。
目安は1リットルですが、最低でも500ミリリットルは摂取するのがポイントです。
ただし、胃液の逆流を招くため、飲みすぎには気をつけましょう。
また、症状がひどい時は鎮痛剤を使用した方が良い場合もありますが、胃腸障害に注意してください。
鎮痛剤の他、「五苓散(ごれいさん)」といった漢方薬を使って、水分の排出を促すのも効果的です。
・吐き気がひどいとき
二日酔いで感じる吐き気や胸焼けといった症状の多くは、食べ過ぎ同様、胃もたれや胸焼けを引き起こします。
アルコールは食べた物を逆流させない為の筋肉を緩めたり、食道の運動低下などを引き起こします。(胃食道逆流症)
この時に出される胃酸は強い酸性で、アルコールの刺激によって胃の粘膜の働きが弱っていると、胸焼け等の不快な症状を引き起こします。
アルコールは分子のサイズが小さいため、空きっ腹で飲酒すると胃の粘膜を通り抜けて刺激を与えやすくなってしまいます。
二日酔いのときの食事は、脂っこいものや刺激物を避けて、なるべくあっさりとしたものを食べるように注意しましょう。
具体的にはビタミンやミネラルに配慮した胃に負担がかからない食べ物です。
温かいお粥やうどん、アロエ入りヨーグルトや梅干しのおにぎりがオススメ◎。
胃のもたれや吐き気の症状がきつい時には、胃薬を飲んでください。
特に前の日に吐いたりすると胃は荒れていますので、胃酸を抑える「制酸薬」が有効です。
「整腸剤」や「乳酸菌製剤」、また中枢神経を抑える吐き気止めも効きますし、飲み過ぎただけでなく食べ過ぎてしまった場合は併用することも出来ます。
もし体が吐きたいというシグナルを出している時は、我慢せず吐いてしまいましょう。
ただし嘔吐は胃や食道に負担をかけますので、指を入れたり大量の水を飲むなどして強制的に吐くのはNGです。
吐血や吐き気があまりにひどい場合は、早急に受診しましょう。
・とにかく体がだるいとき
体全体のだるさも、頭痛と同様にアセトアルデヒドが原因だと考えられています。
アセトアルデヒドを薄めて、体に害のない成分へと変えるには、栄養と水分が必要不可欠です。
適度な栄養摂取と水分補給を行い、体をしっかり休めてください。
吐き気や胸焼けがする場合は、食事を無理にとる必要はありません。
体を休めながら水分補給のみを行い、楽になるのを待ちましょう。
・アミノ酸やビタミンで肝臓の働きをアップさせる
体に入ったアルコールのほとんどは肝臓で代謝されますが、体が処理できる量であれば、筋肉や脂肪組織に運ばれて二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって身体の外へ出ていきます。
しかしアルコールの量が多過ぎると、分解しきれなかったアセトアルデヒドが血中を巡ってしまいます。アセトアルデヒドは毒性が強いため、吐き気や頭痛など二日酔い症状の原因となります。
二日酔いの早期解消には、アミノ酸やビタミンB1の摂取を行い肝臓の働きを高め、アセトアルデヒドの産生防止を行うことが効果的です。
アミノ酸…肝臓の解毒作用、アルコール代謝の促進など、肝機能を向上させる効果があります。
中でも、オススメはメチオニンです。
必須アミノ酸であるメチオニンは、日々の食事から取り入れることが必要な栄養素です。
肝機能を高め、アレルギーの原因であるヒスタミンを抑えたりする働きもあります。
(食品例:鶏肉、牛肉、羊肉、マグロやカツオ、シジミ、牛乳やチーズ、豆腐、納豆、ナッツ等)
ビタミンB1…糖質やアルコールの代謝を助け、エネルギーを作り出す働きがある栄養素です。
不足するとだるさを感じるようになるため、積極的に補給しましょう。
(食品例:きのこ、アスパラ、ハム等)
メチオニンやビタミンBの摂取には、定期的に補給できる保健薬を検討するのも良いでしょう。
・入浴方法に気をつける
二日酔いの時には、サウナや長湯を控えましょう。
体が脱水状態に成っているため、更に脱水を招き二日酔いが悪化してしまう場合があります。
また脱水症状が進むと、心筋梗塞など大きな病気に発展してしまうことも。
入浴はシャワーをサッと浴びる程度にして、体がふらついたり目眩などがする場合は入浴を避ける方がいいでしょう。
〈二日酔いを予防しましょう〉
二日酔いを予防するには飲みすぎに注意することが一番です。
日本人はアルコールの分解が遅く、お酒に弱く、二日酔いになりやすい傾向にあるということがわかっています。
年齢や遺伝によってもアルコール分解能力は異なりますが、一般的に女性よりも男性、年配の方より若い方、体重の軽い方より重い方がアルコール分解能力が高い傾向が多く、酔いにくいとされています。
さらに、日本人はアルコールによって肝臓にダメージを受けやすいこともわかっています。
特に女性は肝臓が弱いとされていますので、十分注意が必要です。
アルコールは体を冷やすので、冷え症や生理痛の悪化の原因にも繋がります。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれるほど、異変に気づきにくい臓器ですので、日頃から気をつけてあげることが大切です。
週に2日は休肝日を設けて体を休めてあげると、体調が整いやすく肝臓の負担も減らせます。
肝臓をいたわるためにも、二日酔いの辛さを味わわないためにも、下記でご紹介する対策を励行し、飲みすぎにないように注意しましょう。
・食事とチェイサーで吸収スピードを抑える
二日酔いはアルコールの吸収スピードを抑えることで、ある程度軽減できます。
アルコール吸収を抑えるには、お酒を飲むときに何かを一緒に食べることが効果的です。
また、アルコール以外に水や度数の低い水分を同時にとると、体内でアルコールが薄まり、吸収をさらに抑えることができます。
お酒を楽しむ際には食事とチェイサー(水・炭酸水・ソフトドリンクなど)をなるべく一緒にとり、アルコールだけを体内に入れないように注意しましょう。
濃度の高いお酒は、水や炭酸水などで薄めて飲むのもいいですね。
なお、飲んだ後すぐに横になったりして体が平行になると胃液が逆流してしまい、胃食道逆流症の原因になります。
お酒を飲んだ後は、座るか体を少し上げた状態で休みましょう。
できれば飲酒後3時間は横にならないのが理想です。
・二日酔いにウコンやしじみエキスは効果的?
二日酔いの予防・対処法としてウコンやしじみエキスをとるという民間療法がありますが、それらの食べ物の効果は科学的に実証されているわけではありません。
むしろ、鉄分を多く含むウコンやしじみは、過剰に摂取すると肝臓を老化させてしまいます。
ウコンやしじみエキスは、二日酔いの万能薬ではないことはもちろん、摂取量によっては肝臓の機能低下につながることを覚えておきましょう。
とはいえ、ウコンやしじみの成分が、アセトアルデヒドを害のない成分に変える働きをサポートしている可能性はあります。
科学的に実証されていないぶん、効果がまったくないとも言い切れません。
人によっては予防や症状の軽減といった効果につながる可能性もあるため、摂取すること自体は無意味ではありません。用法・用量を守って摂取しましょう。
通常二日酔いは、適度な睡眠や水分を摂って体を休めれば、1日程度で快方に向かっていきます。
しかし過度のふらつきや発熱、大量の嘔吐などは風邪や胃腸炎など別の病気の可能性があります。
また脱水症状が進むと二日酔いが悪化するだけでなく、意識障害を引き起こし自身では対処できなくなる場合があります。
いつもと違う症状や違和感を感じる場合は、速やかに受診するようにしましょう。
トキワ薬局は、処方せん調剤だけでなく、一般医薬品、健康食品を通して、健康についての情報の発信や健康相談なども積極的に行っております。
二日酔いに効果的な薬や漢方などのご相談は、当薬局の薬剤師にお気軽にご相談ください。
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