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◎健康観と健康対策について考えてみよう-湯河原のトキワ薬局-

湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして、ありがとうございます。

 

いよいよ秋本番。

食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋…いろいろな秋がありますが、今回注目するのは「スポーツの秋」です。

 

スポーツの秋の由来は、1964年の東京オリンピックである説が有力。

実は東京オリンピックは、国内への経済効果だけでなく、健康への取り組みを整備するきっかけにもなりました。

 

これまで日本では「健康対策」として、国民の健康づくりを推進してきました。

健康対策には「健康でいるためにはどうするべきか」などが示されていますが、その内容は時代によって変わる「健康観(健康への価値観や概念)」に大きく影響されてきました。

 

今回は、「これまでの健康観」と「現代の健康対策」についてご紹介いたします。

 

◎健康観と健康対策について考えてみよう-湯河原のトキワ薬局-

 

健康に対する価値観は、時代によってかなり違います。

はるか昔の縄文時代では、「健康は神だけが知るもの」とされ、自分自身ではどうにもできないという健康観でした。

 

しかし様々な文化が流入したり、宗教ができたり、時代背景を経て、次第に「自身の人生をよりよくするために健康でありたい」といった現在の健康観へと変化していきました。

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①縄文〜奈良時代

・健康は神によってもたらされるという考え

 

・後に始まった中国との交流から、病気には原因があり、医術や薬が必要であると考えられ始めた

 

②鎌倉〜室町時代

・鎌倉仏教の教えに沿って、「自然の流れに逆らわないことを良し」とする生き方や、病気をしない身体を持つことよりも、「人に優しく穏やかな思いやりのある人間性に重きと置いた方が良い」という健康観が強く持たれていた

 

③江戸時代

 

・中期以降に医療に携わる職業人が増え、民衆レベルで健康を意識し始めた

 

⑥明治

 

・「健康」という言葉が出てきた

 

・明治政府は欧米列強諸国に追いつけるような強い国民を育てるため、環境や衛生を整えたり、健康な身体づくりへの取り組みを行った

 

・諸外国との交流により、コレラ・結核などの疫病が流入・流行。

西洋医学採用の方針となり、医療と共に衛生行政が開始された。

「伝染病予防法」「結核予防法」などを改訂し、のち1999年に「感染症予防法」が制定。

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引用 メーテレHP


・「感染症予防法」には、感染症への対策や患者の人権配慮が明記されている上、症状の重さ・病原体の感染力などから…

 

①感染症を一類~五類の5種

②指定感染症

③新感染症

 

の7種類に分類している。

 

「感染予防法」により、医療機関は感染症の分類・種類によって、各々の症状の危険度に合わせた対処ができるようになっている。

 

※新型コロナは現在「2類」に分類されており、今後「5類」もしくは別枠へ分類される可能性が出ている。

 

⑦昭和(敗戦後)

 

・敗戦後の労働の生産性を向上、経済発展の原動力を培い、国際社会における日本の躍進の礎を築くため、昭和39年(1964年)の東京オリンピックを開催。

 

★《東京オリンピックをきっかけに健康観が大きく変化》

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引用 公益財団法人日本オリンピック委員会HP


・国民によく働ける身体を要求した「国民健康づくり対策」が開始。

すべての国民が日常生活を通して積極的に健康・体力づくりに参加できるよう、保健栄養施設の整備、体育・スポーツ・レクリエーション指導者の育成、グループ活動・集団訓練の推進など環境整備を実施

 

・その後、日本の産業構造が、重工業から情報・サービス産業へ転換。

働くための体力づくりという健康観から、スポーツを楽しむことや美しい身体づくりを楽しむという、個人の人生を充実させるための健康観に変わっていった。

 

⑧現代

・厚生労働省が平成26年(2014年)2月に実施した「健康意識に関する調査」によると、自分を「非常に健康だと思う」と答えた人は7.3%、「健康な方だと思う」と答えた人は66.4%おり、合わせて73.7%の人が自分を健康だと考えている

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・健康状態について判断する際に重視した事項としては「病気がないこと」が63.8%で最も多く、次いで「美味しく飲食できること」が40.6%、「身体が丈夫なこと」が40.3%。

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・一方、「健康に関して抱える不安」としては、自身の健康についての不安が「ある」と回答した人が61.1%、その内容としては「体力が衰えてきた」が49.6%と最も多く、次いで「持病がある」が39.6%、「ストレスが溜まる・精神的に疲れる」が36.3%など

 

健康であると感じる人が多い一方、健康に関して様々な要因により不安がある人も多く、人々の健康観が多様化していると言えます。

 

健康には適度な運動、バランスの良い食生活、休養が必要なのは多くの人が知っています。

しかし、現代の日本人は運動、食事、休養を見直す余裕がないなどの理由で、健康への取り組みが十分であるとは言えません。

 

自身の健康のために、生活を顧みて可能な限り改善し実践していく行動力を持つことが、現代の忙しい日本人には必要といえるでしょう。

 

今後も変化していくであろう健康観ですが、ひとまずは現代の健康観に沿った対策として、以下の健康対策をご紹介いたします。

 

▼日本の対策「健康日本21」とは?

 

「健康日本21」…1978年から行われている「国民健康づくり対策」であり、第一〜四次まで想定。

この健康日本21では9つの分野について、健康のために達成すべき目標数値を設定しています。

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引用 厚生労働省HP


①「栄養・食生活」…適正な栄養素の摂取や質の良い食事を行う

 

例:適正な体重(BMIが25以下)を維持する割合を増やす など

 

②「身体活動・運動」…身体活動の意識付けや運動の習慣化

 

例:日常生活における歩数の増加 など

 

③「休養・こころの健康づくり」…ストレスの低減・睡眠の確保・自殺者の減少

 

④「たばこ」…十分な知識の普及、未成年者喫煙防止、希望者への禁煙支援など

 

⑤「アルコール」…多量飲酒社の減少、未成年者の飲酒防止、「節度ある適度な飲酒」の知識の普及

⑥「歯の健康」…う蝕(虫歯)・歯周病の予防や歯の喪失防止

 

例:80歳で20本以上の歯を有する割合を増やす など

⑦「糖尿病」…生活習慣の改善、早期発見、治療の継続

 

⑧「循環器病」…生活習慣の改善、早期発見、治療の継続

 

⑨「がん」…生活習慣の改善、がん検診の受診者の増加

 

上記を見てみても、健康のためには食事・運動・休養が重要であることが分かります。

また疾病予防のため、検診や受診の重要性にも注目したいところです。

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健康日本21の目標数値などには期間が設けられており、次の改定は2023年予定とのことです。

ただ、数値などは変わっても基本的な方針は大きく変わらないでしょう。

 

気になる結果ですが、2011年では6割が改善されました。

しかし現在はコロナの影響もあり、運動不足の人の割合が増えるなど悪化の可能性が大きく、まだまだ改善の余地が多くありそうです。

 

実際、以下のような報告があります。

 

▼「健康」に関するアンケート調査 (明治安田生命)

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https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2022/pdf/20220905_01.pdf

 

・4人に1人以上が1年前に比べて「体重が増えた」と回答。長引くコロナ禍で、3年連続で「体重が増えた」と回答する人が増加(一昨年:21.2%→昨年:25.0%→今年:26.0%)コロナ禍での生活が及ぼす健康への影響が懸念されます。

 

・「食べすぎ」「運動不足」「ストレス」などが体重増加原因の上位であり、その中でも特に女性の割合が多いようです。

長引くコロナ禍の生活で、男性より女性の方がよりストレスを感じている結果とも言われています。

 

▼運動は長寿において遺伝子よりも強い役割?

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定期的な運動や座っている時間を減らすなどの前向きなライフスタイルによって、寿命を延ばすことができるかもしれない。

米国カリフォルニア大学サンディエゴ校などからの報告。

 

先行研究では、身体活動が少なく、座っている時間が長いほど、死亡リスクが高くなることが示されている。

 

研究の結果、より高いレベルの軽度身体活動および中-高強度身体活動が、死亡リスクの低下と関連していることが明らかになった。

 

座位時間が長いことは、死亡リスクの増加に関連していた。これらの関連性は、長寿の遺伝的素因のレベルが異なる女性の間で一貫していた。

 

https://journals.humankinetics.com/view/journals/japa/aop/article-10.1123-japa.2022-0067/article-10.1123-japa.2022-0067.xml

 

運動は死亡リスクに関与しているとの報告です。

なんと遺伝よりも大きく影響を及ぼすかもしれません。特に女性は見逃せませんね。

 

また、がんに特化した予防法についてもご紹介いたします。

 

▼日本人のためのがん予防法(改訂版) (国立がん研究センター)

 

https://epi.ncc.go.jp/can_prev/93/8969.html



喫煙 …たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。

 

飲酒…飲むなら、節度のある飲酒をする。

 

食事…偏らずバランスよくとる。

        ・塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。

        ・ 野菜や果物不足にならない。

        ・ 飲食物を熱い状態でとらない。

 

身体活動…日常生活を活動的に。

 

体形…適正な範囲内に。

 

感染…肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合は治療を受ける。

   ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討する。

   該当する年齢の人は、子宮頸がんワクチンの定期接種を受ける。



今や国民病である「がん」。

食事においても、味付けを薄めにしたり、栄養バランスを考えたりすることで、がん予防だけでなく健康的な食生活にも繋がります。

肝炎ウイルスやピロリ菌感染などは、検査を受けなければ分からない場合もあるため、自身の状態を確認しておくことをおすすめいたします。

 

健康は、食事・運動。休養など日々の生活習慣の影響が大きいといえます。

今はもちろん、これからも健康で過ごせるよう、ぜひ自身の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

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トキワ薬局では、健やかな生活をサポートできるよう、健康情報を発信したり、お客様へ健康に関する適切なアドバイスを行っております。

 

体の不調や健康食品、漢方などに関してお困りの際は、一度当薬局へお越しください。

生活習慣を整えたい方も、ぜひご相談ください!

 

なお当薬局の健康食品は、薬剤師が吟味して取り揃えておりますので、いつでもご相談くださいませ。

 

当薬局では、新型コロナに関連した抗原定性検査を実施しております。

詳細はコチラをご覧いただき、お電話や店頭にてお問い合わせください。

 

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