湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして、ありがとうございます。
前回のアルコール特集は、いかがでしたでしょうか?
今回はアルコール特集の第2弾としまして「アルコール依存症」をピックアップいたします。
近年では、女性や高齢者にも増加中のアルコール依存症。
自覚症状が少なく、かなり進行して周りから指摘されても自覚できない…といった話も多いようです。
「依存症と言われるほどではない」と考えているお酒好きな方も、ぜひ一度ご覧ください。
◎アルコールを健康的に楽しむために②アルコール依存症は身近な病気です-湯河原のトキワ薬局-
▼アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、お酒の飲み方(量・タイミング・時間・状況)を自身で適切にコントロールできなくなった状態を指します。
飲むことに対してまったく抵抗力がなくなっている人も、飲むことが良くないと分かっている人も、脳に異常が起きていて飲むことをやめられません。
つまり、「アルコール依存症」は脳の病気の一種であるとも言えます。
アルコールの多量摂取は、肝障害・糖尿病・膵炎・心疾患・がん・脳の萎縮・認知症など、60以上の病気への要因(厚生労働省HPより)になるため放置は厳禁。
(アルコール依存症の方の5名に1人が60歳以降に認知症を発症するという恐ろしい統計も…)
またアルコール依存症は自覚症状が少なく、家族や周りの人が気づいた時にはかなり進行していることが多いのも特徴です。
「お酒をやめられないだらしない人」「意思が弱い人」などという誤った理解をされやすい病気でもあるため、適切な治療を受けていない人も多いのが現状です。
引用:厚生労働省HP
上記データでは、依存症で有名な「ギャンブル依存症」とアルコール依存症が同等近くの人数であること、そして治療を受けている人の割合の少なさが分かります。
▼お酒好きとアルコール依存症の見分け方
お酒が好きな方全員が「アルコール依存症」かといえば、勿論そうではありません。
アルコールの楽しみ方や頻度も人それぞれであるため、あくまで予備軍である方も多くいらっしゃるでしょう。
ただし予備軍といっても「限りなく依存症に近い人」と「おおよそ依存症から遠い人」まで幅広いため、「限りなく依存症に近い人」や「有害レベル」の人を早期発見し、飲み方を見直すことで依存症防止にも役立ちます。
★手軽にアルコール依存症予備軍をチェック!
WHO(世界保健機関)が作成したアルコール依存症チェックテスト「オーディット(AUDIT)」では、質問に答えるだけで依存症の簡易チェックができます。
オーディットは、特にアルコール依存症までには至っていない「危険な飲酒」や「有害な使用」レベルにある人をスクリーニングするために作成されました。
そのためアルコール依存症というよりは、「お酒は好きだけど依存症にまでは至っていない」と考えている人にこそチェックしてもらいたいテストです。
オーディットは、多くの国で用いられていますが、地域・年齢・性の違いを超えて、高い妥当性が報告されていますので、ぜひ一度下記チェックをお試しください。
注1:「日本酒1合=2ドリンク」「ビール大瓶1本=2.5ドリンク」「ウィスキー水割りダブル1杯=2ドリンク」「焼酎お湯割り1杯=1ドリンク」「ワイングラス1杯=1.5ドリンク」「梅酒小コップ1杯=1ドリンク」とします。
・世界的な正常値…8点未満(これ以上が正常外と言えます)
・アルコール依存症が疑われる…13点以上(日本では15点あたりが妥当)
大まかにみれば、0点〜6点あたりが「お酒好き」と言える範囲でしょうか。
もちろん0点に近いに越したことはありませんが、5〜7点あたりの方は、一度しっかり飲酒習慣を見直してみましょう。
▼アルコール依存症を遠ざける「減酒」のススメ
先程のテストで思ったより点数が高かった方、点数は低くとも今後の健康のためにさらに飲み方を見直したい方などもいらっしゃると思います。
では、アルコール依存症になりにくくするには、どうすればいいのでしょうか?
前回のコラムでご紹介した内容とは別に、今回は「減酒」といった視点からご紹介します。
《減酒のお役立ちアイディア》
・減酒する日を決める
・飲酒量を記録する
・買い置きせず、飲むときにだけ買う
・飲むスピードをゆっくりにする
・小さなコップで飲む
・アルコール度数を低くする(種類を変える、希釈倍率を高くする)
・ノンアルコール飲料に置き換える
・飲酒前に食事や水分を取る
・周りの人に減酒を宣言する
・減酒仲間を見つける
・飲みすぎる状況に身を置かない(二次会、飲み仲間など)
・多く飲みすぎてしまったときは、その状況などを周りの人に正直に話す
など。
まずは7〜8割の力で達成可能な目標を立て、着実に達成することがポイントです。
断酒が今すぐ必要な方以外で、飲酒習慣の見直しをされたい方は「減酒」もぜひご検討ください。
▼アルコール依存症は治る?
アルコール依存症には、残念ながら「完治」という概念はありません。
例えば、何十年お酒を断っていたとしても、不意に飲みたくなったり、再飲酒してしまうなどのように、非常に強い飲酒欲求とずっと付き合っていくことになります。
これはアルコールに限らず「依存症」に見られることで、薬物・ギャンブル・タバコ・盗癖などの依存症も同じです。
しかし、お酒との距離を置き、お酒以外のストレス発散方法を見つけたり、問題解決にお酒を使わない、家族や周りの人の協力を得るなどといった方法で、「完治ではなく回復することで通常の生活を送る」ことは可能です。(3年断酒が継続できればようやく安定した日常生活が送れるようになると言われています)
また断酒中に耐えられず一度お酒を飲んでしまったからといって、必ずしも「再発」につながるわけではなく、失敗を教訓にして以前より徹底して断つことができる人もいます。
失敗はあっても断酒するなどの治療には意味があるのです。
しかしこの治療を一人で行うのは、とても困難です。
断酒は決して簡単ではなく、「アルコール依存症は病気」であることを自覚し、適切な専門機関などへ行き、家族・本人・医師(場合によっては職場なども)といった多くの人の協力を得る必要があります。
現在では、アルコール依存症の方の治療を目的とした専門医療機関だけでなく、持病や生活の質を向上させたい人などの減酒をサポートしてくれる「減酒外来(節酒外来)」などもあります。
▼アルコール依存症が疑われたら
アルコール依存症は、家族だけで立ち向かってしまうと、病状が非常に長引いたり、家族間の関係に大きく影響してしまう場合もあります。
また家族よりも、医師などの外部の第三者からの指摘で、ようやく自身の問題を認め向き合える方もいます。
ですから、知識を持った医師が治療できる専門医療機関を利用しましょう。
本人が出向けない場合、まずは家族の相談でも可能な場合もあります。
・専門医療機関(病院)
・行政機関(保健所、精神保険福祉センターなど)
・自助グループへの参加 など
こちらから検索も可能です。(特定非営利活動法人ASK HPより)
上記のような場所で、断酒への正しい知識・方法のもと確実に断酒し、しっかり回復することが一番の近道です。
医療費なども通常の病院と同じである場合も多く、金銭面での負担軽減措置もあります。
そういった制度面を聞くだけでも、アルコール依存症への治療に前向きになるため、気になっている方もぜひ一度話を聞きに行かれてみてはいかがでしょうか?
昔に比べ、アルコールの種類は増え、嗜好性を高めたものなど多くの人が楽しみやすくなった反面、かなり手軽に飲めるようになりました。
飲酒は日頃からの心がけをしっかり行い、楽しく健康への影響が少ないように楽しみましょう。
では、最後に健康被害や健康情報についてもご報告いたします。
こちらもぜひご覧ください。
https://www.info.gov.hk/gia/general/202304/20/P2023042000500.htm (禁止成分入りの痩身製品について)
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(23)00296-0/pdf (野菜と果物の多い食事は流産リスクの低減につながる?)
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0000000000001146 (米国が人気のダイエットについて心臓への影響を調査)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002916523040996?via%3Dihub (果糖のとりすぎ注意!?)
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