湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして、ありがとうございます。
近年、SNSの発達により国内外の製品を目にする機会が増えました。
しかしインターネット上では、違法な成分が混入された製品が販売され、健康被害を引き起こしている問題も散見されています。
今回はそんな違法成分・医薬品成分入りの製品への注意喚起や、結果的に引き起こされる病状の1つである薬物依存についてご紹介いたします。
◎違法成分入りの製品にご用心!医薬品成分による薬物依存-湯河原のトキワ薬局-
▼薬物依存とは
薬物依存とは薬物の摂取で快感や高揚感を伴う刺激を体験した者が、それを再び求める抑えがたい欲求が生まれて、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる状態のことです。
覚醒剤や麻薬・向精神薬などによる依存のみではなく、広い意味では、シンナー・睡眠薬・抗不安薬など、さらに進んでアルコール(酒)やニコチン(たばこ)なども対象とすることがあります。
依存の症状には精神依存と身体依存の二つに分けられます。
加えて薬物依存の大きな要素の一つに耐性の形成があります。
連用するうちに効き目が出なくなり、使用量が増えていくことです。覚醒剤などの多くは耐性の形成が早く、依存症となる量まで素早く到達してしまいます。
好奇心から少量の使用なら安全と思って使用すると耐性がすぐ出来て、使用量が意思ではコントロール出来なくなってしまうことが、覚醒剤が規制されている理由の一つです。
薬物依存が形成された患者は薬物を得る事のみに執着し、他の社会的責務を容易に放棄してしまうために社会生活が送れなくなることが問題となっています。
▼市販薬や処方薬でもなり得る薬物依存
「薬物依存」というと、覚醒剤などを思い浮かべる方が多いと思います。
覚醒剤はいわゆる「違法薬物」といって、薬物依存の中では一番多い原因であり、日本でも薬物依存に対する治療などは違法薬物を中心に行われてきました。
では2番目に多い原因は、何でしょうか?
答えは、私達が市販でも購入できる風邪薬などの「一般用医薬品」や処方薬です。
一般用医薬品や処方薬を乱用し、薬物依存に陥ってしまう人が年々増加しているのです。
また10代の若者などに増えている、市販薬を過剰摂取し高揚感を得るといった「オーバードーズ」も薬物依存の一種として大きな問題となっています。
そして厄介なのが、意図せぬ「医薬品入り製品」の使用により、気づかぬうちに薬物依存に陥ってしまう場合です。
例えば、「1日に複数回飲むことで効果が期待できる」と言われたダイエット飲料に医薬品が入っていたなら……
そういった事例は実際に起こっています。
以下をご覧ください。
★以前のコラムで紹介した依存性のある医薬品成分「ジブトラミン」入りの製品
★ステロイドが検出された健康茶の類似商品でも検出!-検出された銘柄を飲用されている方は、医療機関にご相談を-
国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に寄せられた情報をもとに、健康茶を購入して調べたところ、医薬品成分のステロイドであるデキサメタゾンが含まれており、2023年4月12日、消費者への注意喚起等を行いました。
当該健康茶は「ジャムー・ティー」との表示があるもので、4月上旬には、インターネット通信販売で、当該健康茶以外にも、商品名に「ジャムー」等と表示がある茶が販売されていました。
そこで、当センターで入手できた3銘柄について調査を行いました。その結果、2銘柄からデキサメタゾンが検出され、医薬品医療機器等法上問題となると考えられ、飲用されている方への健康影響が懸念されましたので、消費者へ注意喚起することとしました。
報告書
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230517_2.pdf
上記には、医薬品である成分ステロイド(デキサメタゾン)が混入されていました。
しかし原材料名にはもちろん、そのような記載はありません。
ステロイドには骨粗鬆症、動脈硬化などの副作用があるため、服用の際は医師による指導などが必要です。
さらに加工者欄には、日本の会社が記載されています。
法人番号も正しく届出されており、疑うことなく買ってしまう方も多いかもしれません。
★シンガポールHSAが、医薬品成分を含む製品に注意喚起
■注意喚起の内容
2023年5月16日、シンガポールHSA (Health Sciences Authority) が、医薬品成分を含む3製品に注意喚起。
■製品の概要
製品名
LORENXO DELICIOUS PURE CHOCOLATE SUPPLEMENT…タダラフィル
DND Rx9…デキサメタゾン、ジクロフェナク、プレドニゾロン
MOFA COFFEE…シブトラミン
■健康被害の状況
当該製品との因果関係が疑われる健康被害が2製品において1件ずつ報告されている。
・1名 (男性、30代) が電子商取引プラットフォームから入手した「LORENXO DELICIOUS PURE CHOCOLATE SUPPLEMENT」を摂取したところ、激しい頭痛が生じた。
・1名 (男性、30代) がウェブサイトを通じてマレーシアから入手した「DND Rx9」を痛風のために数か月摂取したところ、クッシング症候群(重篤なステロイド誘発性の症状)を発症した。
■当該製品に関する国内の状況
厚生労働省より本件に関して国内被害例の報告等は公表されていない (2023年5月19日時点) 。
★見た目は可愛くとも恐ろしい合成麻薬
まるでラムネのような見た目ですが、こちらは合成麻薬という違法薬物。
「痩せるためのサプリ」「ビタミンサプリ」と言われたら、間違って食べてしまいそうではありませんか?
合成麻薬とは、アヘンなどのように天然の植物から作られた麻薬ではなく、化学薬品を合成して作られた麻薬。
一般的に流通している薬品を加工して作られており、麻薬に比べ安価で生成できるため流通量が多い違法薬物です。
合成麻薬には、強い幻覚作用のある「LSD」や視覚や聴覚を変化させ高揚感を得られる「MDMA」「MDA」などがあります。
特にMDMAやMDAは安価で手に入りやすく、見た目もサプリのようで危険性を匂わせにくいような物が多いため、若年層での乱用が問題になっています。
《合成麻薬(MDMA)の主な特徴》
インターネットの普及により、爆発的に流通が増えた影響も大きいと言えます。
便利なインターネットショッピングなども、危険がそばにあるということを十分に認識しながら活用していくようにしましょう。
▼ストレスや生きづらさを紛らわせたくて
厚生労働省によると、一般医薬品や処方薬の乱用や依存症になる方は、覚醒剤に比べて若年層(10代〜)であると言います。その他、高学歴などといった傾向があるとも言われています。
周りの期待に応えようと過剰気味に仕事したり、対人関係やコミュニケーションが苦手であったり、真面目な人が多いようです。
社会的ステータスを守りたい、また「違法ではないため捕まらない」といって安易に手をだす人が多いのも特徴です。
《市販薬などの一般用医薬品や処方薬での依存症状》
あくまで一例ですが、以下の2点以上に当てはまるなら専門的治療を受けたほうが良いでしょう。
薬局や病院を何件も受診すれば、覚醒剤よりも簡単で安価に薬をかき集めることができます。
近年では濫用の恐れのある特定の製品には、氏名や年齢確認や、理由の聞き取り、購入制限をかけている薬局も多いですが、だからといって薬物依存が大きく減少するわけではありません。
薬物依存は、原因がどんな薬物であっても前回ご紹介したアルコール依存と同様に、周囲や専門機関などで適切なケアやリハビリをしていく必要があります。
一般的医薬品や処方薬であっても、違法薬物であっても、どちらも同じ「薬物依存」なのですから…
▼依存性薬物は身近にある
依存性薬物は、みなさんが思うよりずっと身近にあります。
一般用医薬品にも言えることですが、適量や適切に楽しんでいれば依存とならないものもあります。
しかしそれは「適量を知っていること」が前提です。
以下に主な依存性薬物を記載しています。
何気なく楽しんでいる、ついつい多めに飲んでしまうなどといった場合は、一度見直してみたり、依存性の症状が出ていないかをご家族などに聞いてみるのもいいでしょう。
症状がないのに服用する規定、量をオーバーして服用するといった状態も薬物乱用に当てはまります。
有名な市販薬にも覚醒剤やモルヒネに近い成分が配合されているため、気軽に手に入り服用できる分、十分に注意して服用する必要があるのです。
薬の服用を3日ほど続けても症状が改善されない場合、一度受診し病状を確認するといいでしょう。
トキワ薬局では、健やかな生活をサポートできるよう、健康情報を発信したり、お客様へ健康に関する適切なアドバイスを行っております。
体の不調に関する悩み、漢方などに関してお困りの際は、一度当薬局へお越しください。
なお当薬局の健康食品は、薬剤師が吟味して取り揃えておりますので、いつでもご相談くださいませ。
当薬局では、新型コロナに関連した抗原定性検査を実施しております。
詳細はコチラをご覧いただき、お電話や店頭にてお問い合わせください。
検査につきまして、1回2000円で検査キットをご購入いただければ、検査手技の指導、お手伝い、結果判定後に陰性結果報告書の発行までをお手伝いします。
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