有限会社トキワ薬局

◎その症状は風邪ではないかも?風疹やツツガムシ病にご注意ください-湯河原のトキワ薬局-

湯河原の「くすりと健康相談薬局」トキワ薬局のHPをご覧いただきまして、ありがとうございます。

 

前回のコラムでは「梅毒」をご紹介しましたが、今回は梅毒に似た発疹の出る「風疹」や「ツツガムシ病」をピックアップいたします。

 

どちらもGWなどの行楽シーズンに増えやすい感染症です。

風疹やツツガムシ病は、テレビや新聞で目にしていても「聞いたことはあるけれど、詳しく知らない」という方も多いのではないでしょうか?

 

ぜひお出かけ前にご覧いただき、十分な対策のもとで楽しい休日をお過ごしいただければと思います。

 

◎その症状は風邪ではないかも?風疹やツツガムシ病にご注意ください-湯河原のトキワ薬局-



《働く世代に急増中!重症化が怖い感染症「風疹」とは?》

 

■風疹とは

 

風疹は「風しんウイルス」により引き起こされる急性の発疹性感染症です。

一度感染すると、生涯続く免疫が体内で作られるため、現状では二度と風疹にかからないと言われています。

 

■感染力が強いのに気づきにくい

 

風疹は感染しても、すぐには症状が出ません。

感染後14〜21日(平均16〜18日)の潜伏期間を経て、発熱・発疹・リンパ節腫脹(耳介後部、後頭部、頚部)が出現します。

また、風疹のイメージの1つに「発疹」がある方も多いと思いますが、実は発疹が現れるのは感染者の約半数です。

発疹の大きさは、梅毒やツツガムシ病より小さめなことが多いです。

 unnamed - 2025-07-09T161446.229.png

引用 国立感染症研究所HP


風疹の感染力はとても強く、ウイルスへの免疫がない集団において、1人の風疹患者から5〜7人にうつす感染力を有します。(インフルエンザ:1〜3人、新型コロナ:2〜3人)

 

なお、風しんウイルスの感染経路は、以下の通りです。

 

飛沫感染…くしゃみや咳などからウイルスを吸い込み感染すること

接触感染…ウイルスが付着した手、鼻、口などに触れることにより感染すること

 

感染経路のメインは飛沫感染であり「発疹の出現する1週間前(症状が現れる前の潜伏期間中)」が、最も周囲に感染させる期間であると言います。

そのため自身が風疹に感染していると気づくことも難しく、知らないうちに感染を広げてしまうことも、感染者が増えている要因の1つです。

 

■大人が感染すると重症化しやすい

 

風疹の症状は不顕性感染(無症状)もあれば、重篤な合併症状を併発したりするなど、人によって症状が幅広いのも特徴です。

なお、無症状の方の割合は、感染者の15〜30%とも言われています。

 

一般的に、子どもが風疹に感染した際は、あまり重症化しません。

まれに脳炎などの合併症を伴う(2000人〜5000人に1人)ことがありますが、多くの場合は約3〜5日で軽快します。

 

反対に大人が風疹に感染した場合は、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛・脳炎・血小板減少性紫斑病などを合併したりと、入院を要する場合もあります。

 unnamed - 2025-07-09T161450.324.jpg

また、風疹への免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が、風疹ウイルスに感染した場合、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%など)

 

先天性風疹症候群の代表的な症状は、白内障・難聴・先天性心疾患・発達の遅れなどです。

軽症の場合は治ることもありますが、風疹ウイルスを長期的に排出してしまうため、保育園などの集団生活が難しい場合もあります。

 

妊娠前であれば、抗体検査を受け抗体価が低いことを確認後に予防接種が受けられます。

しかしすでに妊娠している場合は、ワクチンの関係で予防接種が受けられません。

ですので、妊婦本人はもとよりご家族など周囲の人も極力人混みを避けるなどして、感染予防に努めるしかありません。

 

■近年増えているのは「働く世代」の大人への感染

 unnamed - 2025-07-09T161453.374.jpg

 

最近テレビなどで報道されていますが、近年風疹の感染者として急増しているのが20〜50歳代のいわゆる「働く世代」です。

 

実は、この働く世代の中には、ワクチン接種回数が少ない時期に当てはまる人や、風疹への免疫が低くなっている人が多いのです。

 

《ワクチン接種回数》

 

・平成2年4月2日以降に生まれた人…2回接種

・昭和37年度〜平成元年度に生まれた女性、または昭和54年度〜平成元年度に生まれた男性…1回接種(ただし必ずではない)

・昭和54年4月1日以前に生まれた男性(〜現在45歳)…接種機会なし

 

風疹ワクチンは1回目の接種で約95%の人に免疫がつき、2回目の接種で残りの人の多くにも免疫がつくと言われています。

そのため1回接種の人や、接種機会の無かった人には十分な免疫がついていないと言えます。

unnamed - 2025-07-09T161456.185.jpg

 

また予防接種をしたからといって、風疹ワクチンで得た免疫が一生涯続くわけではありません。

風疹ワクチン1回の接種で免疫が約20年継続されると言われていますので、1回接種の世代も免疫が低くなっている可能性が高いのです。(こちらの世代も働く世代です)

 

十分な免疫を持たない世代が多い職場で、風疹の集団感染が発生した事例も報告されています。

 

■風疹の予防にはワクチン接種が最も有効

 

現在では予防接種法に基づき、風疹ワクチンを2回接種することを目標としています。

ワクチン接種の適齢年齢の子どもは定期予防接種として、公費で風疹ワクチンの接種を受けられます。

 

また1回接種の方や未接種の方、接種後の年数経過により免疫が低下してきた方については、追加のワクチン接種で免疫を増強させることが可能です。

ワクチン接種と言えば、新型コロナのワクチンが記憶に新しいですが、風疹ワクチンにも接種後の副反応があります。(発熱、蕁麻疹、痙攣、まれに脳炎や脳症)

unnamed - 2025-07-09T161504.735.jpg

 

またワクチンはニワトリの胚細胞を用いて製造されているため、卵そのものを使ってはいません。

ただし重度のアレルギーのある方は反応が生じる可能性があるため、必ず接種時に医師に相談してください。



《多数発生時期の到来!ツツガムシとツツガムシ病にご注意ください》

 

■ツツガムシとは

unnamed - 2025-07-09T161507.801.jpg

引用 豊島区HP


ツツガムシはダニの一種です。

 

ツツガムシは、北海道や沖縄などの一部地域を除く全国で生息しています。

その中でも野山や、河川、やぶ、畑などに生息し、特にツツガムシが幼虫の時期である春〜初夏や、秋〜冬にかけて大きく被害が発生します。

unnamed - 2025-07-09T161510.860.jpg

 

この時期は、ハイキングやレジャー、農作業などで野山や河川に出かけることも多いため、刺される人が多いです。

 

幼虫の体長は約0.2mmほどですので、肉眼で見ることは困難です。

 

幼虫は人の体の柔らかい部位(脇の下・内腿・下腹部など)を好みます。

吸血ではなく体液を何時間もかけて吸いますが、痛みや痒みはほとんどありません。

病原体を保有していないツツガムシの場合は、吸われた場所が赤くなっても、数日後には跡が消えます。

 

つまり刺されても気づかないことも多く、ツツガムシに刺されたことのある人はとても多いはずです。

 

■病原体を保有しているツツガムシに刺されると「ツツガムシ病」になる

 

ツツガムシの中には「病原体を保有していないもの」と「病原体を保有しているもの」の2種類がいます。

 

この2種類の中で、特に注意すべきなのは「病原体を保有している」ツツガムシです。

 

病原体「オリエンチア・ツツガムシ(リケッチア・ツツガムシ)」を保有しているツツガムシの幼虫に刺されると起こるのが「ツツガムシ病」です。

この「ツツガムシ病」は、病原体を保有しているツツガムシに刺されることで感染しますが、人から人への感染はありません。

 

実はこの「ツツガムシ病」は、ほぼ全国で発生していて、毎年全国で数百人が感染しています。

(以下の図にある「日本紅斑熱」とはマダニによる感染病です)

 unnamed - 2025-07-09T161514.272.png

引用 島根県感染症情報センターHP

 

病原体を保有しているツツガムシに刺されると、ツツガムシ病の症状として、以下の症状が現れます。

 

・5〜14日後に食欲不振

・発熱(38℃〜40℃)など、風邪のような症状

・刺し口が腫れる

・発疹(1〜2cmほどの紅斑)が身体や顔に現れる

 unnamed - 2025-07-09T161520.029.jpgunnamed - 2025-07-09T161523.727.jpg

引用 国立感染症研究所HP

ツツガムシがいそうな河川や野山などに行った1週間後などに症状が出た場合は、早期に医師による診察を受けましょう。

診察の際は、ツツガムシのいそうな場所に行った旨を医師に伝えることも大切です。

 

ツツガムシ病は、単なる虫刺されではありません。

重症化すると肺炎や脳炎症状を引き起こし、最悪の場合には死に至ることもあります。

そのためツツガムシ病が疑われる場合は、早期の受診が大切です。

ツツガムシ病の刺され口には、痛みや痒みが無いため、発熱や発疹が目安です。

 

■ツツガムシに刺されないために

 

ツツガムシに刺されないよう、山林や畑に立ち入る場合は、以下の点にご注意ください。

 

・長ズボン、長袖、長靴、手袋などを着用し肌の露出を避ける

・草むらの上に上着を置いたり、腰をおろしたり、寝転んだりしない

・防虫スプレーを使用する

・帰宅後は早めに入浴し、身体を洗ったり、皮膚に刺し口がないか点検する

・帰宅後は必ず着替える

 

また十分に対策をしても、やはり刺される場合もあるでしょう。

そのため、ツツガムシのいそうな場所に行った1週間前後は「ツツガムシ病かもしれない」と疑って、体調などに注意しましょう。

 

風疹もツツガムシ病も、症状は梅毒や風邪と似ています。

普段から少しでも健康への知識を身につけておくと、スムーズな受診や重症化を防ぐことにも役立ちます。

 

自宅にある市販薬で対処できる場合は良いですが、これまで見たことがない発疹や他の症状も併発している場合などは、速やかな受診をおすすめします。

また気になる場合は、お気軽に当薬局へもご相談ください。

 

《五月病の対策に有効な高圧酸素ルームを設置しています》

 unnamed - 2025-07-09T161530.620.jpg

 

当薬局では、高圧酸素ルームを設置しています。

 

高圧酸素ルームは血液中に酸素を行き渡らせ、全身の細胞へ酸素を運びやすくしてくれます。

血液中に酸素が行き渡ると、細胞が本来の働きを取り戻し、肌再生、血流促進、自律神経の乱れなどへの効果も期待できます。

 

もうすぐGW。

毎年話題になる五月病ですが、症状に悩まされる方は、早めの対策として高圧酸素ルームの使用を取り入れてみませんか?

 

春から増える紫外線、五月病、肌の乾燥や荒れ、疲労などへのアプローチとして、ぜひお試しください!

unnamed - 2025-07-09T161533.312.jpg

トキワ薬局では、健やかな生活をサポートできるよう、健康情報を発信したり、お客様へ健康に関する適切なアドバイスを行っております。

 

地域の方に限らず、観光地・湯河原においでの方の「旅人支援」も行っております。

お薬相談のほか、体の不調に関する悩み、お困りの際は、一度当薬局へお越しください。

なお当薬局の健康食品は、薬剤師が吟味して取り揃えておりますので、いつでもご相談くださいませ。

 

さて、これまで当薬局では現在医療用の検査キットを販売してまいりましたが、カテゴリーの変更に伴い、現在庫をもって今後の販売ができなくなります。

代わりに一般販売でも正規の物が販売されるようになっていますが、入手が難しい状況です。

いまだに「研究用」といった雑貨扱いの紛らわしい商品を販売しているドラッグストアもあります。

当薬局の在庫は既に少ない状況ですので、旅行に行かれる方などはお早めにお求めください。

 

【店舗情報】

<トキワ薬局本店>

神奈川県足柄下郡湯河原町中央1丁目25−13  TEL:0465-62-3672

<トキワ薬局宮上店>

神奈川県足柄下郡湯河原町宮上50−7     TEL:0465-63-8103

unnamed - 2025-07-09T161536.505.png

記事一覧へ
新着記事